既存車庫の解体が完了。
敷地内に分厚い鉄板を敷きこんで駐車スペースを確保して、
土がグチャグチャにならないように足元を固めます。
浄化槽も搬入されました。
地盤改良は環境パイル工法。
防腐防蟻処理された木製パイルを地中に圧入し、建物を支える工法で
一般的な湿式柱状改良と比べるとメリットが多く、
去年から多く採用しています。
ここ最近の戸建住宅向け地盤改良工法のトレンドは、
“土地の資産価値を守る”
というところにあります。
それはどいうことか。
遠い将来、建物を解体して新たに建物を建てようとしたときを想像してください。
湿式柱状改良工法だと直径600mm程度のソイルセメントの杭が深い場合は
10m近く施工されています。
改良工事の履歴が残っていればまだ良いですが、
素性の分からない改良杭の上に新築することは恐らく無い。
だから改良杭の撤去が必要になる。
撤去して、新たに地盤改良しましょうということになると思われます。
巨大なセメントの塊を撤去するのは相当な労力ですから、
それなりに費用もかかってくるはず。
そのときに“撤去しやすい”ということが重要になってくるんです。
環境パイルの様な細い杭は引抜が容易で、
むやみに地面を掘り返さずに済む。
遠い将来の話なので、「確実にこうなる」ということではないですが、
出来る範囲の配慮はしておくべきでしょう。
原材料が木なので環境負荷が低く、
セメントを使わないので六価クロムの問題もクリア。残土も少ない。
他にも小さなメリットが沢山あります。
もちろん、湿式柱状改良を否定するつもりはありません。
まだコスト面で優位性があるケースもあるわけで。
地盤改良工事が終わったら遣り方を設け、基礎工事に移ります。。。
現場の様子(三竹の家) その一
2016.01.12 / 家づくり小幡 大樹
専務取締役・一級建築士