大恭建興

楽久

2018.08.09 / ラーメン

楽久 に行ってまいりました。新潟西区の名店で、らっきゅうと読みます。
それにしても久しぶりの更新となりました。ラーメン自体はそれなりに食べているのですが…



宅街に溶け込む外観。新潟大学近くなこともあり、客層は大学生が多め?
あとはご近所の高年齢な方々が井戸端として訪れているような印象もありました。
平日のお昼ちょっと前、並ばずに座れたもののほぼ満席です。



メニューはシンプルに2品目のみ。ほとんどの人たちがセットメニューを注文しているようでした。いわゆる「ラーチャン」と呼ばれるものですね。
私も習ってラーチャンを注文。

驚いたのはオペレーション。いくら平日といえども厨房には店主のお母さんおひとりのみ。そしてホールスタッフも兼任。
場合によっては品がくるまで30分くらいかかるんじゃないか?と思ったけど10分ちょっとでラーメンが到着しました。熟練の手際です。



極めてシンプルな組成のラーメン。ストレートの細麺にメンマ、小口切りのネギ、豚バラのチャーシュー。そして透き通った黄金色のスープ。
ほんのりと魚介の香りが鼻腔をくすぐります。



一口すすると煮干しの強い旨味と風味が駆け抜けます。塩気も醤油もそれなりに抑えてあるのに物足りなさは全く感じません。
メインは煮干しだと思うのですが、どこか伝統的な中華スープの雰囲気というか…鶏ガラのような風味もあります。
味が立つ、とかキレがある、などいろいろな形容が出来るのでしょうが、うまく言葉が出てきません。
とにかく美味い。口の中に入れていないのが寂しくなるような恐るべきスープです。



シンプルなストレート細麺も、このスープにはこれしかないだろうという選定に感じます。
歯応えが強すぎず主張が控えめなこと、加水率も高めなのでスープと絡みすぎずによいバランスを保っていること。
また店主が一人で切り盛りするには、太麺に比べて細麺の方がゆで時間等のオペレーションで有利なことなど。
現代的で複雑なラーメンが絶妙なバランスの上で成り立っているのとは正反対な、どっしり構えた王道バランスラーメンです。

余談ですが超濃厚やダブルスープといった流行のラーメンは、作る人の技量によってかなり味にバラつきがあるように思います。
前回はとっても美味しく食べられたのに今回は塩辛すぎる…など。
絶妙なバランスの上で成り立っているからこそ、ちょっとした調理の不手際で味が成立しなくなるのでしょう。
特に人気店で多くの厨房スタッフがいる店でよく感じます。どこの店とは言いませんが…



チャーシューはわりと甘味があって、シンプルなラーメンの中に一癖つけてくれる感じ。とても柔らかくて口の中でとろけます。
メンマは柔らかくも歯応えが残された仕上がり。ナチュラルな味でスープの風味を邪魔するものではありません。

白いシンプルな丼に、シンプルなラーメン。美しく、洗練された仕上がりです。



夢中になってラーメンをすするうちにチャーハンが到着。
添え物はキュウリと大根の漬物に紅ショウガ。
具は卵のみで、味付けは醤油。チャーハンというよりまさに焼き飯といった様相。



丸く押さえられていますが、砂場のお城のように簡単に崩れるぱらぱら加減。
薄めの味付けがスープとよく合っており、チャーハン → スープ → チャーハン → スープ → のループを促進させてくれます。

あっという間に完食。とても美味しかった…



大樹さんと高橋さんの3人で訪れたのですが、全員スープまで完飲。このラーメンなら飲み干してしまうのも仕方ない。

とても美味しく誰にでもおすすめできるラーメンですが、一点だけ注意があるとすればラーメンが来てからチャーハンが来るまでにタイムラグがあること。
ラーメンとチャーハンを同時に楽しみたい場合、ラーメンを少しセーブしながら食べないとチャーハンが来るまでにラーメンを食べきってしまう可能性があります。
店主のお母さんワンオペなので仕方のないことだと思いましょう。

最後に、同じくラーチャンの名店「太陽」と比較すると、ラーメンはスープの差で「楽久」の勝ち。チャーハンは味の深みと凝り具合で「太陽」の勝ち、といったところでしょうか…あくまで個人的にはですが。

シンプルだからこそ、深く心に刻まれるラーメンでした。また来ます。

佐藤 光

佐藤 光

一級建築士

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