冷え込みが厳しい今日この頃。
最近はもっぱらエアコン暖房のお宅が多くなってきました。
千代栄町の家2もエアコンで暖房します。
高効率なヒートポンプが安価に手に入るようになり、
こんなスバラシイ物を使わない手はない!!ということです。
しかし、エアコン暖房と言うと「ホントに暖かいのか!?」
とネガティブなイメージを持たれる方が多いのも事実。
キチンと断熱設計して適切な容量選定をすれば間違いなく最強の熱源ですが・・・
それが出来てない新築住宅が多く、ネガティブなイメージを生んでいるのかも!?
という事でどのようにエアコンの容量を決めるかを解説します。
まず基本はコレ↓
Q値×床面積×室内外の温度差=エアコンの能力
となります。
冬季を想定し、2014年の長岡市の月別平均最低気温は氷点下1.3℃、
室内温度は20℃としましょう。
“千代栄町の家2”の設計Q値は1.4W/㎡・k。
延床面積は92.74㎡です。
上記の式に当てはめると、
1.4×92.74×21.3=2743W
暖房能力が2.8kwのエアコン、つまり10畳用で家中暖房可能ということに!!
床面積92.74㎡って56畳ですよ!!なんじゃそりゃ!!って話です。
これは単純に「逃げる熱」と「加える熱」のみを計算した結果であり、
実際これでは不都合が生じます。
不利側の要素も加味しなければなりません。
・もっと厳しい気象条件もありうる(2014年の長岡の最低気温は氷点下6.7℃)
・玄関ドアに開閉よる熱ロス
・間欠暖房の場合は立ち上がり時にもっと大きなパワーが必要。
冷えた屋内を速やかに温めるには容量不足
・間仕切壁があり、建具があるので、暖気は滞留する。
1~2台のエアコンで隅々まで暖気を行き渡らせるには工夫が必要。
このような不安要素があるので安全率として0.6をみておきます。
2743W÷0.6=4571W
4.57kw。これが暖房時にエアコンに求められる能力です。
なので今回はコレ↓
三菱のHXV-404。
定格暖房能力は6.0kwです。
自動車でもそうですが、常にフル出力では燃費が悪い。
定格の7割~8割が一番効率が良いそうです。
6.0kw×0.8=4.8kw
必要な能力は4.57kwです。ちょうどいい数値でしょう。
あとは暖気が隅々まで行き渡るように工夫すれば、
エアコン1台で全館暖房が可能となります。
今週末はオープンハウスです。
エアコン暖房がどんなものか、ご体感ください!!
エアコンの容量選定
2015.02.10 / 家づくり小幡 大樹
専務取締役・一級建築士