大恭建興

佐藤の窓~smartwin~

2024.05.31 / 家づくり

HEAT20のG2~G3クラスの外皮性能を標準仕様としている弊社。

当然、窓に求められる断熱性能も相応に高いわけでありまして、

トリプルガラス+樹脂フレームの商品を基本としております。

YKKAPであればAPW430、

リクシルであればEW、

エクセルシャノンであればシャノンウィンドⅡx、

国内大手メーカーの樹脂窓であればどれもフレームの構造や性能に大きな違いはなく、

選べるガラスの幅が違う程度と思います。

Uw値0.9Wくらい、オプションでフレームにウレタン充填するとUw値0.7Wとか。

とりたててどれが良い悪いという事もなく、

性能と価格のバランスは横並びという感じ。

そんな中、久しぶりにそのバランスが狂っている?(いや狂ってはいない)

尖りに尖った木製サッシを “関原南の家” にて採用する運びとなりました。

施主様の御意向と私の好奇心が合致した結果であります。

その名も・・・佐藤の窓(smartwin)・・・!!

先日、佐藤大治社長が直々に来県、現場搬入と施工指導がありました。

遠路はるばる香川県の大丸工業さんから運ばれてきました。

佐藤社長は新幹線で10時間かかったそうです。

ありがとうございます。

リビングの大窓は幅9尺の重量級、8人掛かりでの現場搬入です。

万が一ぶつけたりしてガラス割ったら大事件ですから、

慎重に慎重に・・・

とりあえず搬入完了。仮付けですが、無事に入りました。

ダブルLow-Eのトリプルガラスにしては透明度が高く明るい印象。景色が映える。

サンゴバン社のECRAZというスペシャルな輸入ガラスを使用しているので

それの特性だと思われます。

国産杉をはぎ合わせた木製フレームの良いモノ感が半端じゃない。

で、ここから佐藤社長から施工指導です。

躯体への固定方法、防水処理、気密処理、などなど、

こんなの教えてもらわなければ絶対わからない、濃い内容。

だから直々に来てくれるんですね。ありがとうございます。

施工の際の“コツ”的なモノが多々あり、これは説明書じゃ伝わらない。

実際に指導して頂く必要があると感じました。

窓本来の性能を発揮するには正しい施工が必須ですね。

この窓を少し詳しく説明してみましょう。

もともと smartwin は高断熱住宅先進国ドイツの商品でありまして、

ドイツのパッシブハウス基準をクリアするために開発されたものです。

それをライセンス契約を結んで日本で製造販売しているのが佐藤の窓(smartwin)なんですね。

外壁断熱層とサッシが連続する構造(いわゆるインセット)になっていて、

フレームからの熱損失が極めて小さいのが特徴。

さらに屋外側がアルミ部材で覆われているため、屋外からはサッシの木部は見えない。

屋外に露出しているのはガラスとアルミ部材だけ。

ゆえに、木製サッシでありながら木部の経年劣化がほぼないため、

定期的な再塗装の必要がありません。

さらに見た目もスッキリしていて好印象。

あとね、前途の通り、ECRAZという高性能ガラスを使っているのもポイント。

このガラスの何が高性能なのかと言うと・・・パッシブデザインおいて・・・

・冬は日射を取り込みたいから、日射取得率が高いガラスを使いたい。

・でもガラスから室内の熱を逃がしたくないから、断熱性能の高いガラスを使いたい。

上記二点はガラス性能において相反する要素であり、

日射取得率を高めると断熱性能が下がり、断熱性能を高めると日射取得率が下がる、

というトレードオフする関係性なんです。

しかし、このECRAZはどちらも高いレベルで成立させた欲張りなガラス。

APW430のガラス(日射取得型):日射熱取得率η値0.57 熱貫流率U値0.91W

APW430のガラス(日射遮蔽型):日射熱取得率η値0.47 熱貫流率U値0.61W

ECRAZ:            日射熱取得率η値0.59 熱貫流率U値0.52W

数字を並べるとこんな感じ。

APW430の日射取得型よりも取得率が高く、

APW430の遮蔽型よりも熱貫流率が低い(断熱性が高い)のが分かります。

 

 

ちなみに自邸に入っているアルスの木製サッシにはアルミ部材なんて付いておりません。

木製フレームの外側は外気にさらされるので、

保護塗料を塗ってあっても塗膜の劣化は避けられません。

だから、定期的に保護塗装を塗りなおす必要があります。

普通の木製サッシはそんなもんです。大丈夫、私は楽しみながら塗ってます。

自邸の様子(木製サッシ再塗装)|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興 (daikyo-kenko.co.jp)

気になる価格について。

自邸の木製サッシも佐藤の窓も、一般的な樹脂トリプルサッシと比べたら価格は跳ねあがります。

諸条件によりますが、2倍~というイメージ。

価値判断の基準として “熱的性能” と “価格” しかないのであれば、

まず選択肢に挙がらないでしょう。

しかしそこに “木製ならではの上質さ” や “サイズや開閉方式の自由度” が加わるならば、

十分に検討の余地はあるかと思います。

・・・

最後に朗報です。

上記のECRAZという高性能ガラス、YKKAPのAPW430でも選択できるようになりました。

普通の樹脂トリプルサッシの費用感でECLAZが選べるのは喜ばしい事ですね。

今後は積極的に採用していきたいと思います。

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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