大恭建興

現場の様子(宮本町の家) その三

2024.03.08 / 家づくり

上棟後、外周部の耐力面材施工を張り終えたら、

設計担当と現場担当が現場で施工状況チェック。

偏心バランスをとるためにあえて耐力を持たせない “非耐力壁” なんてのもあるから、

これがまたややこしい。

構造計算時、

偏心バランスをとるためにあえて耐力の無い弱い壁を意図的に造るんという事なんですけど、

そういう部位は意図的に釘の間隔を広めにとる必要があるんですね。

大工達は現場で構造図を見ながら耐力壁or非耐力壁を判断し、

釘のピッチを変えて施工していきます。

指定の釘間隔が150mmというところもあれば、75mmというところもあったり。

「密に打てば頑丈になるから全部75mmで問題ないでしょ」と考えがちですが、

残念ながらそれは間違い。

逆に偏心バランスが崩れて計算上の耐震性を発揮できなくなってしまうんですね。

それ以外にも釘のメリコミ過多やヘリ空き寸法もチェックして、

NG箇所にはテープを貼って大工に是正してもらいます。

膨大な数の釘を人間が打つわけですから、完璧なんてあり得ません。

チェック体制が大切です。

最近は木造在来工法の家でも “耐震等級3” という言葉をよく耳にするようになりました。

それに伴って内部の耐力壁も高倍率化しておりまして、

スジカイよりも強い面材仕様の耐力壁が多用されております。

下の写真のように柱の内側に構造用合板を釘で打ち付けたモノがそれです。

片側に1枚張れば3.3倍、両側1枚づつ張れば6.6倍という強力な耐震壁となります。

これも外部面材同様、釘の施工品質が大切。チェックしていきましょう。

下の写真は一般的なスジカイ耐力壁。これで壁倍率4倍。

こちらは柱や梁とスジカイ材の接合部に金物が付きます。これがチェックポイント。

地震時に外れないようにしつつ、スジカイの引っ張り力を発揮するためのモノ。

ビスの種類や本数が規定通りか確認していきます。

地震時、柱はすっぽ抜けようとします。引抜力というヤツです。

それを防ぐために柱の上下には接合金物を設置します。

構造計算により柱一本づつ引抜力を算出して、適切な接合金物を選定。

これも図面通りに施工されているかを現場で見て行きます。

構造躯体の検査が終わったら、断熱工事を進めて行きます。

壁内は高性能グラスウール16kの105mm厚、

外側には付加断熱材ネオマフォーム45mm厚を施工。

その後、室内側にポリエチレンシートを張って防湿層とします。

コンセントボックスやダクト廻りは気密テープで処理。

天井にも同じシートを張って気密防湿層とします。

スジカイや電線などが貫通する部分を気密テープ処理。

施工する大工の技能や意識による差が出やすいところ。

渋谷棟梁、いつもありがとうございます。

天井断熱材の施工 セルローズファイバー350mm厚。

普段から厚めに施工して頂いているので、目測平均400mm以上ある感じ。

中間時の気密測定結果は、C = 0.09 cm2/㎡

四捨五入して C = 0.1 cm2/㎡ といういつもと変わり映えの無い数値。

いつの頃からか、このような数値しか出ませんね。

現場の皆様、ありがとうございます。

 

 

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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