つい先日のお話。
私事ではありますが、長女が新型コロナに感染してしまい、
私も濃厚接触者になってしまいました。
(私と打合せの予定があった方々、急なキャンセルで御迷惑をおかけしました)
幸い我が家は完全分離型の二世帯住宅という事で、
私を含めた感染の可能性が低いメンバーは別世帯へ避難して、数日の隔離生活を送っておりました。
濃厚接触者の待期期間は通常5日、
医療用の抗原検査キットを用いる事で3日に短縮できるんですね。
綿棒を鼻に突っ込んで、ゲホッ!ガホッ!と咽び泣きながら頑張りました。
たまたま自宅は二世帯住宅だったので、完全な隔離が出来たわけですが、
核家族単世帯の場合はどうでしょうか。
同居家族が感染した時に、完璧な家庭内隔離って出来るんでしょうか。
感染者は個室に隔離して、
トイレや洗面所は感染者も使うから、そこは頑張って消毒するとして。
うん。頑張れば出来るかもしれない。
しかし、それらが完璧でも、
今どきの住宅には必ず24時間換気システムがついているから、
その換気が家庭内感染を助長する可能性がある、かもしれない。
・・・実際に家族が罹患したので、少し踏み込んで考えてみました・・・
この絵が分かりやすい。マーベックスさんのHPより画像拝借↓
上の絵は、住宅で最も一般的な24時間換気の手法。
各個室に必ず給気口があり、その部屋の空気が廊下やLDKを経由して、
トイレや脱衣室で排気されます。
換気の最上流である個室が汚染されるので、その空気が家中に散らばってしまうという趣旨。
それに対して下の絵、
弊社が標準採用している換気システム(マーベックス澄家)は各個室に排気口があるので、
汚染空気が速やかに排気され、家中に散らばりにくいという趣旨。
ダイキョー物件の場合、
他メーカー(ローヤル電機)の換気システムでも個室排気で計画している家が多く、
澄家と同様の換気経路となっています。
この絵を見せられると居室排気が正義、居室給気は悪、という構図になってしまいますが、
ホントのところ、どうなんでしょうか??
新型コロナはエアロゾル感染はするけど、空気感染はしないという事なので、
この仕組みにどれほどの感染予防効果があるのかは定かではありません。エビデンスはたぶん無い。
ちょっと意地悪な見方をすると・・・
仮にウイルスを含んだ粒子が空気中にあったとして、
個室から排気された空気はいったん熱交換換気扇本体を経由するわけで、
その時に給気(新鮮空気)と排気(汚染空気)が混ざるのでは??という危惧もある。
マーベックスさんの資料だとこのように記載されています↓
熱交換素子自体はウイルスを通さないそうです。だから大丈夫と。
でも、こういうダクト式換気扇は本体内にも小さな隙間があって、
排気と給気がミキシングされてしまうというのは通説です。
微量でも給気と排気が混ざるので、完璧にウイルスを防げるわけではない。う~む。
とりとめのない内容になってしまいましたが、話をまとめると。
24時間換気システムにおいて、
居室給気型よりも、居室排気型の方が隔離部屋の汚染空気が散りにくいので、
感染が広がりにくい気がする!!精神衛生上も好ましい!!
ただ、それが具体的にどの程度の感染予防効果があるのかはわからない!!
一建築士の私に言えるのはこの程度です。
弊社が居室排気型を採用しているのはウイルス対策ではなく、
冷暖房時の温度ムラ抑制のためなんですけど、
結果的にウイルス対策っぽくなっていたので、アピールしておきます!!