大恭建興

現場の様子(桜咲く公園脇の小さい家) その三

2024.07.01 / 家づくり

“桜咲く公園脇の小さい家”

上棟後、順調に工事が進行中です。

ネイティブディメンションズ(言いにくい)の鈴木さんが設計されたこのお宅。

同じ高耐震高断熱の家にも色んな作り方があるものだなと、

学びになるポイントが色々とあります。

まず、耐震要素(耐力壁)が構造用合板のみで単純明快でわかりやすい。

なんかこう、すごくシンプル。

アレもコレもと使い分けたりしないから現場も助かります。

材料のロスも少ないし、ミスや不整合も減らせる気がする。

それだけで “現場を知っている設計者” という感じがしますね。

メモメモ・・・

気密層(防湿層)の考え方もダイキョーとは違います。

普段だったら耐力面材の継手に気密テープを張って、

面材そのものを気密ラインとするのですが、

鈴木さんは面材外側にポリエチレンシートを張って、

気密層(防湿層)としています。

外張断熱材のネオマフォームは分厚く、120mm厚。

壁の断熱はそれだけで、壁内は空っぽ。

昨今流行りの “付加断熱” ではありません。充填断熱なし、外張断熱のみ。

壁内に繊維系断熱材を入れないから、室内側に防湿層がない(必要ない)

ここがダイキョー仕様と大きく違う点で、

施工の省力化&簡略化に繋がるのであります。

そして気密ライン、断熱ライン、防水ラインがほぼ一致しているから、

それらが一筆書きで行ける。。。なんともシンプルで合理的。。。

透湿防水シートはタイベックシルバーが指定品。

通常のタイベックにアルミを蒸着させたモノで、

一定の遮熱効果が期待できるという商品です。

夏場の冷房負荷低減や快適性向上に効果があるかと思われます。

また、通常のタイベックと比べると耐久性も高い。

(値段も高いけど)

外壁下地もクロス胴縁仕様。

通気層の通気量が多くなり、夏場の熱流入を低減できるというモノ。

実はダイキョーでも一時採用しておりましたが、

施工手間がかかりすぎるという理由でやめてしまいました。

ここ最近は地球温暖化が進み、冷房期間&冷房負荷がどんどん大きくなってきて、

外壁通気層の重要性が高まっていると感じております・・・

自邸の様子(温暖化が進んでいるらしい)|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興 (daikyo-kenko.co.jp)

やはり “住まいは夏をむねとすべし” でしょうか。

外壁施工はまだですけど、可愛らしい、何とも言えないファサード。

アクセント使いのアンダーセン(木製サッシ)がポイントのようです。

鈴木さん御自宅のタバコ屋からの流れかな・・・

【ministock-04】小さい家の先-建築家の小さな自邸- - native dimensions blog (goo.ne.jp)

耐震等級3(積雪3m)という木造在来の躯体は初めて見ましたが、

無理のない構造設計ゆえに骨組みが“太い”という印象はありません。

ただ、壁量は相当に多く、

屋内の間仕切壁はほぼすべて構造用合板による耐力壁となります。

壁倍率5倍~6.6倍の壁がビッシリ並ぶ様は圧巻です。

構造用合板による耐力壁は、釘の種類や間隔を調整して倍率を使い分けます。

今回は4種類、このあたりは馴染みがありますね。いつも通りでOK。

気密工事が完了したタイミングで中間の気密測定を行います。

測定中(減圧中)に隙間がありそうなところに手を当てて空気漏れを探す高橋監督。

タバコ屋ウインドウのジョイント部から、わずかな漏気があるようです。

あと、引違窓のレール部からも同様に漏気が・・・

まぁ探せばあちこちに漏気はあります。そんなものです。

それでも C値 = 0.1 cm2/㎡ ですけどね!!

折田棟梁、GOOJOBです。

鈴木さんにも立ち会って頂き、御納得頂きました。

現場の職人の技術と配慮だけでは、こういう数値は出ません。

やはり、気密性能を担保しやすい設計が重要です。

平面断面共に凸凹しない、スライド系サッシを避ける、一筆書きの気密ライン、

など、設計側ができる配慮もたくさんあります。

 

大工工事は後半戦。

気を抜かずに最後まで頑張ります。

 

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

大恭建興に相談してみませんか?
突然の訪問や無理な営業活動は一切いたしません。
新築、リフォーム、住まいに関する疑問・質問などお気軽にお問い合わせください。
カタログのご請求や見学会の来場予約もお待ちしております。
ページ上部に戻る