外壁付加断熱を行う場合、サッシの取り付け位置は2通りある。
平断面のイメージ↓
水色の線がサッシ本体で、図上が屋外、図下が屋内。
パターン①(左側)は構造体の柱面にサッシを取り付ける。
パターン②(右側)は付加断熱の下地材にサッシを取り付ける。
要するにサッシが内側に付くか、外側に付くかの違い。
パターン①の方は、サッシ側面まで断熱材に囲まれるため、
サッシフレームからの熱ロスが少ない。プサイ値ってやつですね。
断熱性能を考えればこの位置が理想的。
でもダイキョーの過去物件では採用したことがありません。
理由は「何となく雨漏りしそう」だから。
他人様のお宅はやはり防水の信頼性を重視します。雨漏りは避けたい。
そこで自邸です。我が家は人柱なので、パターン①に挑戦しました。
国産サッシはパターン②の納まりを前提とした構造になっているので、
APW430とかでパターン①をやろうとすると、防水処理が少し難しい。
モックアップを作って施工性を確認しながら細部を検討する。
こんな風に窓が内側に引っ込みます↓
陰影ができて、ビジュアル的にもGOOD。
まだ施工方法など煮詰めないといけない部分がありますが、
将来的にはお客さん宅でも採用したいですね。
窓と下地材の間には少しクリアランスをとって、
この隙間に断熱材を入れる(西方先生の納まりを参考に)
そうすることで窓フレーム側面も断熱材に覆われることとなり、
フレームからの熱損失が抑えられる。
冬になったらサッシフレームの表面温度データをとって、
パターン①と②を比較してみましょう。
付加断熱のサッシ位置
2017.05.29 / 家づくり小幡 大樹
専務取締役・一級建築士