大工がどんどん解体作業を進めてます。
某リフォーム番組では感慨深くなった施主様が涙を流すところですが、
私や社長はいたってドライ。涙など出ません。
私はむしろワクワクです。
壁や天井のボードを剥がしていくと、中身が見えてきてオモシロイ。
壁の断熱材は当時の普及品。ハウスロン。袋入グラスウール10kg品ですね。
防湿処理も雑で、まさに間違ったグラスウールの使い方です。
しかし別張の防湿シートを張ってあったりして、
「当時としては丁寧なんじゃないか?」と折田大工。
グラスウールを壁から取り出してみると、
部分的に壁内結露が起きてるのがわかる。黒いのはカビです。
小幡家の暖房は開放型石油ファンヒーターをを各室に置く
ごくごく一般的なスタイルでした。
暖房器具から多量の水蒸気が放出され、室内は相応に高湿度状態だったでしょう。
その水蒸気が壁内に流入し、壁内で結露してカビが発生するわけです。
防湿層の重要性を痛感しますね。
全体的には所々カビが見受けられる程度で、酷く腐っているような部分は無し。
再利用するのは骨組みだけなので、他の部分は全て撤去処分。
まぁゴミが出る出る。
ゴミの処分費用がかさむ。。。
骨組みが目視できるようになったら、
現況の構造図を作って、補強計画を詰めます。
梁補強や耐力壁新設が当初の目論見通りにいくのかどうか確認。
事前にできる調査は限界があり、フタを開けてみないと分からない部分もある。
だからリノベーションは難しい。
レーザーレベラーで建物の水平を計測してみた結果、
6センチほど傾斜していました。
一定の方向に均一に斜めになっているので、
おそらく地盤から均一に下がっている。
中越地震や中越沖地震で揺られてますから想定内ですが、
住んでる人間は不便を感じてないし意外とわからないものです。
傾いた骨組みは屋起こしして修正、床も水平に作り直します。
外部足場がかかったので、外装もじっくり見てみる。
非ガルバリウムの亜鉛メッキ鋼板葺の屋根は25年でこんなに錆びる。
でも雨漏りはしてない。錆びて穴が開くまでにはまだしばらくかかりそう。
もちろん葺き直します!!
ラワン材の破風板もまだしっかりしてます。
安いペンキ塗装は早々に剥げ落ちましたが、
美観を言わなければそれなりに耐久性があるもんですね。
解体がひと段落したら、構造体の補強作業に続きます。
現場の様子(自分の家) その二
2017.03.15 / 家づくり小幡 大樹
専務取締役・一級建築士