外部足場が解体されて、外観があらわになりました。
グレーに着色した杉板と、グレー色の波板板金の組み合わせ。
私もお気に入りのコーディネートです。
このグレー着色の板張はここ数年、業界内の密かなトレンド?のような気がします。
無塗装の天然木を外装に使うと、経年変化でシルバーグレー色へ変わってくるんですけど、
その色変化のスピードは風雨の当たり方などの差により、マチマチです。
最終的にはすべて均一なシルバーグレー色になりますが、
年単位の時間をかけてゆっくりと変化していきます。
築後一年が経過した “地蔵のエスネル” ↓ (村松さん、写真お借りしました!)
経年変化の差がわかるでしょうか。
「この自然なムラ感がいいんだよ!!」と私は思いますが・・・いいよねぇ?
しかし、この経過(ムラ感)が苦手というユーザーも少なくない。
そこでこの「グレー着色の板張作戦」です。
あらかじめ木板をシルバーグレー色で着色することで、経年変化によるムラ感を最小限に抑えます。
2014年竣工の “大沼新田の家” は木板にグレー着色を施しました↓
約6~7年が経過したときの写真です。竣工時とほぼ同じ雰囲気。色ムラ感がありませんよね。
すでにグレー着色が弱くなって剥がれて、木の素地が出ている部分もあるかと思います。
しかし木は灰色化するので、その差が目立たない。だからメンテフリーに近い。
色ムラアレルギーがある方々にも受け入れられる木製外壁ですね。
内部では新たな試みとして、
ラワン合板を細長くカットしたモノを壁面に張りました。
ラワン木目とヨロイ張の陰影が良い感じです。
ウッドショック下という事もあり、
構造材以外にも内部造作で使う木材供給にも影響が出ています。
モノが無かったり、価格高騰だったり・・・
作り手の臨機応変な対応が求められますね。
大工工事完了後、施主様によるヌリカベDIYが始まりました。
通常は難易度低めで施工性も良い “ローラー塗りの西洋漆喰” をお勧めしておりますが、
あえてその逆を行く “コテ塗りの珪藻土” を選ばれました。
ローラー塗りでは出せない、コテ塗りならではの風合いは確かに魅力です。
まずはパテ下地処理から開始。
珪藻土をミキサーで練って、コテでヌリヌリして頂きます。
やり方をレクチャーさせて頂きますが、コテの運びは「習うより慣れろ」の世界。
Tさん、頑張ってください!