深い軒と袖壁に囲まれたスクエアな外観は、無垢の白木と白い窓枠によって明るい雰囲気が漂う。
室内に入ると、吹き抜けのリビングには上からも正面からも陽光が壁へ、床へ。
光と温もりに包まれる。
住み心地を訪ねてINTERVIEW 03
長岡市Y邸 2021年入居 夫婦+子ども2人暮らしやすさと心地よさを
無理なく一つに

「性能もデザインも無駄なくシンプルに」
家を建てるにあたって、YouTubeで知識を得たというYさん。「とある番組で『エアコン一台で温度差のない家ができる』と聞いて衝撃を受けました」。長岡で建てられないかと探し、性能はもちろん「シンプルな造りとコスパの良さ」でビルダーを決めた。 提案されたのは、正方形に近い吹き抜けの筒を中心にしたプラン。「暮らしやすそうで、しかも空調の計画に無理がなかった」。南面したほぼ正方形の外壁を最大限使った掃き出し窓と高窓。その双方から、冬は日差しとともに「無料の暖房」が得られ、夏は深い軒によって日差しと熱をカット。吹き抜けによって自然と空気がめぐるだけでなく「どこにアクセスするにも近い」動線を組み合わせることで、無駄なく空間を使い、空調も最適なスペックに。広さも性能も「ちょうどいい」住まいになった。

家族の距離が近い正方形のLDK
LDKを正方形にしたことで「家族の距離が近い」とYさんは言う。キッチンと食べる場所、お子さんたちの居場所がコンパクトにまとまり「2階にも気配が伝わるんです」。一角には奥行きのあるカウンターを造作、お子さんの勉強スペース兼書斎スペースとした。反対側の壁、造作の収納棚の下には床下エアコン。この一台で家じゅうの暖房をまかなっている。


温度差のない「絶対的」な環境
キッチンからは水回り空間がすぐそこ。家事を同時進行したり、帰宅したら手を洗ってリビングに行ったり。「お風呂も近く、脱衣所も暖かいので、子どもたちも嫌がらずに入ってくれる」。Yさんはリビングや玄関、寝室に温湿度計を置いて確認。「温度は1℃くらい差があるくらいで、湿度については一年中40%台をキープしています」。湿度も一定にコントロールした環境は「絶対的」な心地よさを生み出している。


2階は個室でプライベートを確保
2階には寝室や個室などプライベートに籠れる空間を配置。寝室のフィックス窓は吹き抜けにつながり、一方で個室はお子さんの部屋になど将来にも対応している。ホールにつながる吹き抜け部分を通して、冬は暖気が届き、めぐる。階上も温度差のない環境だ。


「家が一番。旅行に出かけなくなりました」
この家に暮らして5年。1年目は、玄関を入ったとたんに冬は暖かく夏は涼しいことに感動した。その思いは色褪せることはないという。2年目以降は「旅行に出かけなくなった」とY夫妻は言う。「家が心地良すぎて。旅館は廊下が寒そうとかエアコンで喉が痛くなりそうとか思ってしまって」。その心地よさは、性能だけでなく総合的なバランスの良さの上にある。暮らしやすい動線、換気、性能、ランニングコスト。どれかが突出するのではなく80点~90点の高得点で揃え、点を結ぶ多レーダーチャートが正五角形に近づくように。「35坪のオール電化で電気代は年間20万円くらい。子どもも私たちも体調良くて『家よりいいところあるのかな』って」。Y家は、快適至極なマイホームで毎日を楽しんでいる。