春先というのに雪の舞う日、玄関を開けると、Sさんはシャツ一枚で現れた。
二人のお子さんは裸足。S邸は玄関土間から暖かさに満ちていた。
住み心地を訪ねてINTERVIEW 01
長岡市S邸 2016年入居 夫婦+子ども2人G2グレード一棟目の住まい。
「暖かさがすべてを変えた」
G2グレードに踏み切った理由
Sさんが家を建てたのは2016年のこと。「*G2グレードの家」を発信するモデルのような存在として生まれたという。「小幡大樹専務から勧められたんです。私自身、建材を販売する仕事をしているので、性能への興味はありましたが、正直なところ、そこまで必要かな?と思っていました」。当時はまだ性能への意識は低く、G1レベルで十分と言われていた。「それでも専務の熱意にほだされて、提案に乗ってみようと」。その後、100棟以上の実績を持つに至ったG2グレードの一棟目は、こうして始まった。
*G2グレード:断熱性能を表す基準。冬の間の最低体感温度が新潟では13℃以上を保てる性能を指す。
「暖かさこそ価値」を実感
春夏秋冬。1年を過ごした時、Sさんの気持ちは大きく変わっていた。「とにかく驚きました。暖かさと心地よさは想像以上。この性能を選んでよかったと心底思いました」。
内側に120mmの断熱材、外側にさらに105mm。窓はトリプル樹脂サッシ。吹き抜けが床下エアコンの暖気を家中に巡らせ、どこにいても暖かい。「アパートに住んでいた時は、冬が嫌で仕方なかったのに、まずその気持ちが消えた。特に外から帰ると実感します。暖かさこそ価値。専務の言葉を借りれば『暖かさは正義』だとはっきり言えます」。
木を生かした飽きのこないデザイン
奥さまが「正解だった」と振り返るのはデザインだ。チークの床、壁や天井、造作のカップボードにはシナ合板、システムキッチンも木の面材。シンプルに統一されているが、当時は大理石やシャンデリアに憧れていたという。「今となってはこうして良かった。趣味は変わるし、どんなものでも受け入れてくれるこの雰囲気がいい」。造作の棚には、最近、興味があるというグリーンが明るく映えている。
大工の技が光る施工が随所に
無垢のチークの床がそのまま立ち上がったような階段。ステップはもちろん蹴上(けあげ)にも木が施されている。「かなり苦労したと聞いていますが、この仕上がりは、大工の腕がどれほどなのかを示していると思う」。見えているところだけではない。初の試みだった付加断熱は、気密もしっかり確保しながら納められている。「性能の数値も大工の方の腕あってこそ。この心地よさも技術に支えられていると思うと感慨深いです」。
玄関を入ると、墨モルタルの土間に間接照明を仕込んだ浮き框(かまち)。LDKにつながり、入ったとたんに暖かい。仕切りのないオープンな間取りも、G2グレードの性能のおかげで、どこにいても同じ心地よさに包まれる。
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家中、どこにいても快適
棚や洗面台は、壁や床に使ったシナ合板を使い、オリジナルで造作している。洗って干して畳んで仕舞うまでをコンパクトに完結。
寝る時は一年中、薄手の羽毛布団。「設計時に、冬用布団を仕舞う必要がないから押し入れはいらないと言われましたが、本当でした」。寝室の左手には、洋服を仕舞うウォークインクローゼットがある。
お得な光熱費以上の心地よさ
G2グレードのS邸は15坪の総2階建て。合計30坪、オール電化で年間の光熱費は約25万円だという。昨年は電気代が上がったこともあり、ますます性能のメリットを感じているとSさん。「ただ、光熱費の抑制はあくまでも"おまけ"。いつ、どんなときでも早く家に帰りたいと思うようになった。そんな家に対する気持ちの変化こそが一番です」。