“長岡千代栄町の家”
オーブルデザインさんの設計監理のもと、ダイキョーが施工を担当している本件。
初めてのお付き合いですから色々と不安もあります。
図面をしっかりと読み込んで、分からないところは質疑をあげて、擦り合わせも行いました。
きっと大丈夫でしょう。
いよいよ工事開始です。
・・・
まずは地盤改良から。
オーソドックスに湿式柱状改良が指定工法。
以前は六価クロムという発がん性物質の危険性が取り沙汰されていましたが、
現在は対策品のセメントを使うようになったので、そのあたりの問題は解決済み。
木造住宅の地盤改良で最も普及している工法ゆえ、コストメリットもあります。
続いて基礎工事。
一体打設高基礎(いったいだせつたかきそ) を作って行きます。
ネイティブディメンションズやエスネルデザインといった、
温熱や構造に強い設計事務所が採用しているこのスタイル。
一目でそれとわかる特徴的な背の高い基礎コンクリートなのですが、
これのルーツをたどるとオーブルデザインの浅間先生に辿り着くのであります。
高基礎の元祖、オリジナルです。
地中梁を設けなくても梁せいが確保できるため、根切底がフラットで施工性が良い。
コンクリートのかぶり厚も確保しやすい。
配筋検査合格後、立上りの型枠を組み立てます。
基礎スラブと立上りを同時に打設する一体打設なので、内部の型枠は宙に浮いた状態になり、
この宙に浮いた型枠をしっかりと精度よく固定するのが難しいんです。
手慣れた業者さんじゃないと嫌がられたり断られたりします。
今回基礎工事を担当しているのは、
高基礎一体打設を得意とする超腕の良い基礎屋さん。
いつもありがとうございます。こちらは大船の乗った気持ちです。
アンカーボルトセット ~ アンカーチェック ~
諸々のチェックが済んだらコンクリート打設です。
高基礎の一体打設という工事自体が業界内で一般的ではなくて、絶対数が極めて少ない。
ゆえにその施工経験がある基礎屋さんが少ない。
流動化した生コンがあふれ出てきて収拾がつかなくなったり、
バイブレーターが足りなくてジャンカだらけになったり。失敗と隣り合わせの世界。
そんな難しい工事をいつも完璧にこなしてくれる基礎屋さん。スゴイよホント。
過去に5物件、この業者さんに高基礎工事を依頼していて、
すべての物件において例外なく、素晴らしい品質の基礎コンクリートとなっているんです。
養生期間を経て、型枠解体。
一般的な基礎コンクリートは地面から500mm前後の高さですが、
これは1050mmとおおよそ2倍の高さがあります。
脚立が無いと中に入れないくらいの高さ。
コンクリートの表面はガラス質となっており、ピカピカと輝いております。
ジャンカやピンホールなどは極小。今回もすばらしい仕上がりです。
高基礎一体打設をここまで上手くこなす基礎屋さんが世の中にどれほどあるのか・・・
ここから大工工事。
シンプルでコンパクトで合理的な架構なので、建て方作業もはかどる。
このあたりもネイティブディメンションズやエスネルデザインと通ずるものがありますね。
桁上に厚物構造用合板を張って、水平構面を固めます。
釘の種類や間隔、ヘリ空寸法、メリコミ過多、に注意しつつ作業を進めて行きます。
この部分は上棟したら是正出来ないので、特に慎重に。
施主様から作業にあたる職人達へ差し入れを頂きました。
お子さんからのメッセージ付き。ありがたい心遣いです。
無事に上棟しました。
四角四面の総二階建て。
見ての通り上下階の柱位置も揃っていて、木構造のお手本のようなビジュアルです。
上棟後、ダイキョー仕様ならば外周部の耐力面材を施工して行くところですが、
今回それはナシ。
耐力壁はほぼ全てスジカイという設計です。
断面寸法45mm×120mmの木材を下の写真のように柱間に斜めに入れていきます。
一通り耐力壁の施工を終えたら、検査前の検査を私と高橋監督で行い、
スジカイ金物の種類、ビスの種類や本数、を全数確認。
ビスや釘の打ち忘れが数か所あったのですぐに是正。
その後、工事監理者であるオーブルデザインさんの耐力壁検査を受けます。
初めて協働させて頂くという事で、ドキドキしながらの耐力壁検査でした。
「こんなんじゃだめです。話にならない。ぜんぶやり直してください。」
なんて言われたら心が折れてしまう・・・
ちなみに私は別件で立ち会えず。逃げたわけじゃありません。
検査結果は・・・「完璧」とコメント頂きました・・・!!一安心!!
折田棟梁を始めとする大工の皆様、GOODJOBです。
引き続きよろしく頼みます。