“新保の家” の現場ブログは普段と趣向を変えて、
設計上のポイントなどを御紹介しております。
過去三回は基礎、木構造、気密断熱、について解説してみました。
基礎コンクリートについて↓
現場の様子(新保の家) その二|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興
木構造について↓
現場の様子(新保の家) その三|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興
気密断熱について↓
現場の様子(新保の家) その四|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興
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今回は窓について、書いてみようと思います。
昨今の高断熱住宅において、トリプルガラスの樹脂窓は必須要件と考えておりまして、
これがダイキョーの基本仕様となっております。
窓は熱的に弱い部分であり、断熱性能を向上させたい時に費用対効果の高い部位。
窓への投資が高断熱化の第一歩です。
国産メーカーのトリプル樹脂窓であればどれも価格も性能も大差ありません。
YKKAP、リクシル、シャノン、お好みでどうぞ。
あと窓種(開閉方式)について。
代表的なモノとして、
引違窓、上げ下げ窓、すべり出し窓、ドレーキップ窓、FIX窓、などがあります。
それぞれ特徴があるわけですが、
まずは開閉できる窓なのか、開閉できない窓(FIX窓)なのかというところ。
気密断熱性能においてはFIX窓が有利ですから、
最近の住宅はFIX窓が多くなってきていますね。
「じゃあ全部FIX窓でいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、なかなかそうは行きません。
「多少の通風はしたい、させてくれ、理屈じゃないんだ」という人情もありますし、
建築基準法でも窓からの換気を義務付けられているので、
開閉できる窓をゼロにするのは現実的ではないのです。
で、開閉できる窓を設けたくなるわけでして「どの窓種がいいのよ?」という話になります。
何となく選んでいる設計者もいると思いますが、我々は根拠を持って窓種選定してます。
一番重要視しているのは中長期的な気密性能について。
開閉できる窓はパッキン材の経年劣化で気密性能が低下していくのですが、
パッキンへの依存度が高い窓種はその低下幅が大きくなります。
引違窓や上げ下げ窓といったスライド系窓がその代表例です。
逆に気密性能が下がりにくいのはすべり出し窓やドレーキップ窓となります。
だから我々はなるべく引違窓や上げ下げ窓を避けて設計するのであります。
(無理ない範囲で避ける、という意味)
(絶対に引違窓を使わないとは言わない)
スライド系窓を選びつつ気密性能も重視したいという欲張りな貴方には、
アルスのエコスライド窓やYKKAPの大開口スライディング窓などがおススメです。
一般的にヘーベシーベと呼ばれたりする窓でして、
引寄せ金具でパッキン材がグッと潰れて確実に気密化されるので、
中長期的な気密性能も担保しやすい。
リビングの主役となるような大開口にはやはりスライド系窓がしっくりきます。
ただ、普通の引違窓と比べるとかなり高額です。
自邸の大開口はアルスのエコスライド窓。いい窓です。
木製という事もあり相応に高価ですが、所有満足感も味わえます。
気密もバッチリで木製の質感も味わえる。
結局のところ、お金を出せばいくらでも良いモノがあるということです。。。
また夏季日射遮蔽として窓の外側にシェードやスダレを設置したい時は、
外側に開くタイプの窓だとそれらと干渉するので、引違窓かドレーキップ窓がピッタリです。
(屋内側からスダレを設置できるような窓はその二種のみ)
(気密担保という意味ではドレーキップ窓一択)
(飛び道具として外付電動ブラインドもアリ)
詳しくは過去ブログを御確認ください。
夏はスダレで|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興
外付ブラインドの効果効能|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興
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そんな感じで設計させて頂いた “新保の家”
来週末に完成見学会を開催する運びとなりました。
3月15日(土)16日(日)長岡市新保にて予約制のオープンハウスを開催します。|お知らせ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興
施主様の御理解と御協力に感謝。Hさんありがとうございます。
現場の方は内部クリーニングも終わり、外構工事を残してほぼ完成しております。
吹抜ダイニングとプライベートテラスが印象的なお宅です。
吹抜上部の大窓には先ほど御紹介させて頂いた外付ブラインドも設置されております。
プライベートテラスには鎖樋と水瓶を設けて、懐かしい情景を狙いました。
ぜひ見に来てください。
佐藤くんちもいいですが、こちらも見ごたえありますので。ぜひ。
・許容応力度計算による耐震等級3(積雪1.0m時)
・Ua値 0.27W/㎡・k(Q-pex4.30) ※HEAT20G2グレード 断熱等級6
・C値 0.08cm2/㎡(中間時実測、竣工測定はこれから)
・床下エアコン1台による全館暖房
・壁掛エアコン1台による全館冷房
・認定長期優良住宅