大恭建興

現場の様子(自分の家) その四

2017.04.19 / 家づくり

屋根の形は変わりませんが、
既存の野地板や垂木は撤去して、作り直します。
巨大な屋根垂木は2×12(ツーバイトゥエルブ)と呼ばれるもの。
ツーバイフォー工法にもちいる材ですね。
ミリ単位で言うと38×286mm。デカいよ。



この垂木の間に通気層と断熱層を設けて、屋根断熱工法とします。
更に室内側にも付加断熱を施す予定。



スジカイと耐力面材を併用して、強固な耐力壁を作ります。
耐力壁を強固にすると柱が抜けようとする力が増大します(地震時)
だから各接合部の補強が必須。
無暗に壁を固くすればいい訳ではない。



現行の基準にのっとってN値計算(柱の引抜力計算)を行うと、
柱や梁の接合強度が全然足りないので、
こういった金物で緊結する↓
引抜耐力10kN程度までは対応できる。



悩ましいのが、
引抜力15kNを超えた場合の基礎と1階柱の接合。
引抜力が極大なので、先程のようなタイプの金物は使えません。
新築ならば、
あらかじめ太いアンカーボルトを基礎コンクリートに埋め込み、
それと1階柱を接合するところ。いわゆるホールダウン金物ですね。
しかし、リノベーションの場合はそうはいかない。
色々考えましたが、、、

鉄骨造の高床住宅なので1階の土台下にはH型鋼がある。
相手が鉄ならばやはり溶接ですね。
鉄工所に分厚いコの字金物を作ってもらい、それをH形鋼に溶接。



座付のM16ボルトを通して、ホールダウン金物で1階柱と接合。
無事に1階柱と基礎がガッチリ繋がりました。



驚いたのは、コレ↓
元々ついていた羽子板ボルトのナット、過半数が緩んでいる・・・!!
構造材同士を接合する、強度的に大切な部分です。
「オヤジ!締め忘れたな!」と一瞬考えましたが、冷静に考えるとそうではない。
25年前の建築時に締め忘れた訳ではなく、
木材の乾燥収縮で緩んだものと思われます。
イマドキの一般的な木の家の構造材は“乾燥材”と呼ばれるものを使っているので、
ここまでの乾燥収縮はありません。
乾燥木材の重要性を垣間見た瞬間です。

しかし、建築当時は柱や梁のような構造材にグリーン材(非乾燥材)
を使うことは、まぁ一般的だったそうです。

専務「なんで乾燥材にしねかったがぁや!?」 
意訳:なんで乾燥材を使わなかったのですか?

社長「たけかったがぁや!!」
意訳:高価なモノだったからです

ということらしいです。



ナットを締め直したら、ボルト側のねじ山が足りなくなりました。。。
だから座金を重ねて調整してます。。。

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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