大恭建興

5年後の気密測定

2021.02.16 / 家づくり

2016年2月に竣工した“中貫の家”

早いものでもう5年が経ちました。

2018年に書いた記事↓

二年後の気密測定|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興 (daikyo-kenko.co.jp)

この時、築後2年で再度気密測定を行ったわけですが、

気密性能の低下はほとんどありませんでした。

では築後5年ではどうか?という事で、

スーパー施主様(建築業界人)のS氏が再々度、気密測定を行いました。

結果から言うと、気密性能はそれなりに下がっちゃったんですけど・・・

 

竣工時 C = 0.23  cm2/㎡

2年後 C = 0.27  cm2/㎡

5年後 C = 0.40 cm2/㎡

 

築後5年で上記の様な実測値が得られました。

5年で0.17 cm2/㎡のダウンという事になります。

 

“中貫の家”には引違窓が2ヶ所あり、

新築時と比べると、その窓の召し合わせ部分が結露しやすくなっている気がするそうです。

(施主様の体感的なもの)

一般的に引違窓は構造上、隙間が出やすい(気密が落ちやすい)傾向があります。

引違窓にしかないメリットも多々あるので、悪者扱いするつもりはありませんが、

やはりこいつが怪しい。

という事で、引違窓の隙間をテープで目張りして、再度測定。

すると・・・

C = 0.28 cm2/㎡

という数値が出ました。2年後の測定値とほぼ同じ。

やはり引違窓のエアタイト材の硬化や劣化が、

気密性能低下の大きな要因のようです。

逆に言うとサッシ以外、躯体の気密劣化はあまり無いという事です。

実績と信頼の新住協方式のボード気密工法。やはり間違いなし。

 

引違窓の名誉もあるのでフォローしておきますが、

当時、YKKAPでスライド系窓種といったらこれしかありませんでした。

APW331に真空トリプルガラスを入れた引違窓がスライド系窓の最高峰だったんです。

決して性能が低い窓ではありません。

今現在はその上位窓として、APW431大開口スライディングという窓があり、

引き寄せ金具で障子が密着するので、高い気密性能を誇ります。

ヨーロッパでは“ヘーベシーベ”と呼ばれるタイプの窓で、高性能かつ高額ですね。

(高いから全然売れてないって話を聞いた)

そういった窓であれば、中長期的な気密性能も安定するのだろうが・・・

“コストバランス”という観点でみたら、普通の引違窓にも魅力はあります。

無暗に引違窓を多用せず、ポイント使いに留めてみたり。

何事も臨機応変に。

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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