1月は一年で最も寒い月。
年末から寒波が続き、久々に本格的に寒い冬ですね。
まさにTHE暖房シーズンという様相であります。
この時期になると、住宅建築を検討中の方々から、温熱性能に関する質問を度々うけるので、
皆さん気になる3項目について、おさらいしてみましょう。
①普通のエアコン1台で本当に家中暖かくなるの?一体どういう手法を使っているんだい?
・ポイント1
まずは、言わずもがな建物そのものの断熱性能が大切。きちんと温熱計算しましょう。
外皮性能はHEAT20でいうところのG1グレードが下限値。これ以下の外皮性能で全館暖房は非現実的だと思います。
推奨しているのはG2グレード。これが現在のダイキョー標準仕様で、外壁付加断熱とトリプルサッシが必要になってくるレベル。
予算が潤沢にあればG3グレードも良いでしょう。
イニシャルコストがかなり膨らんでくるので相応に建築予算がある方向け。
G1、G2、G3、どれが良いのか?
ケースバイケースで一概に言えませんが・・・
G2~G3の間(Ua=0.34~0.23の間)が無理なく作れるベストバランスかと思いますし、
OB様の温熱環境に対する満足度も極めて高いです。
長く快適に住み続けるのであればやはりG2以上が好ましい。
・ポイント2
熱交換換気扇という、換気しても寒くならない換気扇を使います。
昨今の新築住宅は24時間換気が義務化されており、
二時間に一回、家中の空気が外気と入れ替わるようになっています。
そんなことしたら屋内が寒くなるのは当たり前ですよね?
そこで、“熱交換換気扇”というものを使います。
屋外へ捨てる空気の熱のみを回収して、屋外から入ってくる外気を暖めてくれる、不思議な換気扇。
換気扇からの冷気を大幅軽減してくれるので、屋内個室間の温度差が出にくくとっても快適です。
・ポイント3
暖気が流れる経路を意図的に作ります。
これは設計上のノウハウですね。あんまり細かくは言いません。
1台のエアコンの暖気を家中に上手く流す工夫が必要で、付け焼刃的な考えで行うと失敗が多い大切なポイント。
吹抜だったり、循環ファンだったり、スノコ床、などを効果的に設けて自然対流を促します。
1階に設置されたエアコン1台で2階個室まで、十分に暖房可能です。
②電気代はどんな感じ?24時間全館暖房ってめちゃくちゃ電気代かかりそうなんですけど・・・
「エアコンは24時間つけっぱなしにしてください」
と言われると最初は皆さん、抵抗があるかと思います。
大丈夫です。
イマドキのエアコン×高断熱住宅の組み合わせであれば、そんなに電気代かかりません。
実績データ等は過去のブログでも度々御紹介しています↓
https://daikyo-kenko.co.jp/blog/1169/
https://daikyo-kenko.co.jp/blog/1340/
https://daikyo-kenko.co.jp/blog/8713/
https://daikyo-kenko.co.jp/blog/8486/
自宅の二年目の電気代はこんな感じ↓
温熱計算シミュレーションを行い、ワンシーズンの暖冷房費用を算出しておりまして、
暖冷房のみの実績値はおおよそ想定通りですね。
「家中がこんなに快適でこの金額なら満足じゃ」とおっしゃるOB様がほとんどです。
私自身も2017年にUa値0.27Wの全館冷暖房の家を建て、家族4人で住んでおりますが、
夏も冬も超快適で電気代も安くて大満足です。
そういった自信の体験もあり、「家を建てるならば断熱はしっかりと」と皆様におススメしております。
③ちなみに冷房もエアコン1台でやるの?
2階ホールや小屋裏に冷房用エアコンを1台設置して、全館冷房を行うスタイルが標準的です。
(規模や間取りによっては2台というケースもあり)
建物の保温性が良ければエアコンは弱冷房運転で家中快適です。
ただ、暖房よりも冷房の方が屋内の温度差が出やすく、サーキュレーターを効果的に使って冷気を循環させる必要があります。
暖気は軽くて散りやすいのに対して、冷気は重くて留まりやすいんですね。
また、快適な全館冷房を行うには窓からの日射熱の遮蔽も重要で、
アウターシェードやスダレで窓から直射日光を遮る必要があります。
以上、
ダイキョーが標準的に行っている1台のエアコンで全館暖冷房するスタイルを簡単にまとめてみました。
今から7年程前から取り組んでいる仕組みで、新住協方式をベースに日々改善&進化させてきました。
相応のノウハウや勘所も蓄積されており、中越エリアではトップクラスの実績かと思います。
2月には完成見学会を3物件で開催予定です。だまされたと思って全館暖房の様子を見に来てください。