耐力面材(モイスTM)の施工。
こういった耐力面材、昨今は様々な商品があり
防火、透湿、耐震、この3要素を兼ね備えたものが主流。
まぁ外側に発泡ボード系の付加断熱を行う場合は “透湿” はそれほど重要ではありませんが
今回は準防火エリアに該当する敷地。
外壁の防火基準をクリアするために、
防火性能が高い耐力面材は使い勝手が良くて重宝します。
(設計者は重宝するけど、施工者は・・・)
往々にしてこういった防火系ボードは重量がヘビー級。
よっこいしょと持ち上げて~
手打ち釘で仮止めして~
釘打ち機で全周打って~
浮いた釘を手打ちで締める。
釘の種類や間隔も商品のよってマチマチなので、
打ち損じや間違いも起こりやすく、施工品質管理は容易ではありません。
要注意の工程です。
耐力面材の継手を気密テープ処理。
テープ貼らなくても、それなりに気密化出来るけど、
やれることはやっておこうという精神で。
安定した高気密施工を行うには、現場の空気感も大切です。
外壁付加断熱部の窓下地木材の取付。
その後、3面交差部の防水処理をストレッチ系防水テープで行います。
玄関ドア脇にはアクセントで木製サッシを設置。
今回は準防火エリアなので一般部は防火サッシと言って、
耐火性のある窓を用いる必要があります。網入ガラスだったりするヤツですね。
(これが複層ガラス仕様でもかなり高価。さらにトリプルガラスだと超高額。)
ただ、設計上の配慮と工夫によっては、全部その窓する必要は無くて、
防火サッシではない通常の木製玄関ドアや木製窓の設置も可能。
やはり玄関まわりは木製サッシで格好よくしたいですよね。
外壁付加断熱はネオマフォームの30ミリ厚。
ここをグラスウールの様な繊維系断熱材で行うか、
下の写真のような発泡ボード系断熱材で行うか、
一長一短あり、悩ましいところ。
いずれにせよHEAT20 G2以上の外皮性能を推奨するダイキョーとしては、
こういった外壁の二重断熱(付加断熱)は積極的におススメしております。
発泡ボード系断熱材の場合、30~60ミリ厚が下地木材の規格寸法にもしっくりきます。
現状、現実的なコスト感かと思います。
繊維系の場合は単位厚あたりの断熱性能が発泡ボード系に劣るので、
その分厚くする必要があり、
グラスウールであれば105~120ミリ厚で設計するケースが多いですね。
壁内部はセルローズファイバーを120ミリ厚で充填。
隅々まで隙間なく。
それから防湿層を設けて壁内への水蒸気流入を防ぎます。
このタイミングで概ね気密工事が完了、中間時の気密測定を行います。
家中の隙間の総量・・・18 cm2
実質延床面積・・・112.24 ㎡
18 cm2 ÷ 112.24 ㎡ = 0.1603 cm2/㎡
小数点第二位が四捨五入ルールなので、
C=0.2 cm2/㎡ といういつも通りの素晴らしい結果。
弱点になりがちな引違窓もそれなりにあったのに大健闘です。
床断熱仕様の物件としては過去最良じゃないですか??
桝谷棟梁、お疲れ様です。さすがです。
(竣工時の気密測定まで気は抜けませんが!)