大恭建興

現場の様子(今町の家) その三

2020.08.24 / 家づくり

耐力面材(モイスTM)の施工。

こういった耐力面材、昨今は様々な商品があり

防火、透湿、耐震、この3要素を兼ね備えたものが主流。

まぁ外側に発泡ボード系の付加断熱を行う場合は “透湿” はそれほど重要ではありませんが

今回は準防火エリアに該当する敷地。

外壁の防火基準をクリアするために、

防火性能が高い耐力面材は使い勝手が良くて重宝します。

(設計者は重宝するけど、施工者は・・・)

往々にしてこういった防火系ボードは重量がヘビー級。

よっこいしょと持ち上げて~

手打ち釘で仮止めして~

釘打ち機で全周打って~

浮いた釘を手打ちで締める。

釘の種類や間隔も商品のよってマチマチなので、

打ち損じや間違いも起こりやすく、施工品質管理は容易ではありません。

要注意の工程です。

耐力面材の継手を気密テープ処理。

テープ貼らなくても、それなりに気密化出来るけど、

やれることはやっておこうという精神で。

安定した高気密施工を行うには、現場の空気感も大切です。

外壁付加断熱部の窓下地木材の取付。

その後、3面交差部の防水処理をストレッチ系防水テープで行います。

玄関ドア脇にはアクセントで木製サッシを設置。

今回は準防火エリアなので一般部は防火サッシと言って、

耐火性のある窓を用いる必要があります。網入ガラスだったりするヤツですね。

(これが複層ガラス仕様でもかなり高価。さらにトリプルガラスだと超高額。)

ただ、設計上の配慮と工夫によっては、全部その窓する必要は無くて、

防火サッシではない通常の木製玄関ドアや木製窓の設置も可能。

やはり玄関まわりは木製サッシで格好よくしたいですよね。

外壁付加断熱はネオマフォームの30ミリ厚。

ここをグラスウールの様な繊維系断熱材で行うか、

下の写真のような発泡ボード系断熱材で行うか、

一長一短あり、悩ましいところ。

いずれにせよHEAT20 G2以上の外皮性能を推奨するダイキョーとしては、

こういった外壁の二重断熱(付加断熱)は積極的におススメしております。

発泡ボード系断熱材の場合、30~60ミリ厚が下地木材の規格寸法にもしっくりきます。

現状、現実的なコスト感かと思います。

繊維系の場合は単位厚あたりの断熱性能が発泡ボード系に劣るので、

その分厚くする必要があり、

グラスウールであれば105~120ミリ厚で設計するケースが多いですね。

壁内部はセルローズファイバーを120ミリ厚で充填。

隅々まで隙間なく。

それから防湿層を設けて壁内への水蒸気流入を防ぎます。

このタイミングで概ね気密工事が完了、中間時の気密測定を行います。

家中の隙間の総量・・・18 cm2

実質延床面積・・・112.24 ㎡

18 cm2 ÷ 112.24 ㎡ = 0.1603 cm2/㎡ 

小数点第二位が四捨五入ルールなので、

C=0.2 cm2/㎡ といういつも通りの素晴らしい結果。

弱点になりがちな引違窓もそれなりにあったのに大健闘です。

床断熱仕様の物件としては過去最良じゃないですか?? 

桝谷棟梁、お疲れ様です。さすがです。

(竣工時の気密測定まで気は抜けませんが!)

 

 

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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