土間コンクリート製の自宅ガレージ床。
8年前のリノベーション工事の際にここは触らなかったので、
施工後33年が経つ相当に年季が入った床なんですね。
当時、私の祖父と父(弊社社長)が二人仲良く木鏝で撫でたもので、
凹凸のあるハンドメイド感に溢れる仕上がりとなっております。
その表面の平滑性はゼロ。ヤスリか。
素人のDIYなので最初から平滑ではないのに加え、
度重なるクルマの出し入れや風化によりかなり荒れております。
もはや洗い出し仕上に近く、ジョリパットで言うところのエンシェントブリック仕上の様相。
ゆえにホコリやゴミが溜まりやすく、ホウキで掃き掃除してもなかなかキレイにならない。
ガレージ内がいつも埃っぽい感じで辛いので、防塵塗装をする事にしました。
最初は整備工場向けの二液性エポキシ塗装と考えましたが、
そうすると既存のコンクリート表面が完全に隠蔽されてしまい、
のっぺらな質感になってしまう・・・
それは嫌なのでクリア仕上で行く事にしました。
ヒビやオイル染みもあえて残すことで、いい雰囲気になるんじゃないかと思いまして。
まずは高圧洗浄機で土間コンクリート表面を洗浄していきます。
信頼と実績のケルヒャー。イエローボディが頼もしい。
楽しそうに汚れを吹き飛ばす社長。
御本人もまさか33年後にケルヒャーすることになるとは思わなかったでしょう。
凹凸に入り込んだ汚れは強固でして、
一見キレイに見える土間床から泥水がどんどん出てきます。
やってもやっても泥水が出てくるので、程々なところで勘弁してやりました。
人生には妥協も必要です。
・・・写真だとそれほどキレイになったように見えませんが、キレイになったんです!
もちろん落ちない汚れもあります。
こぼしたオイルや塗料だったり、灯油タンクからこぼれた灯油だったり。
油が染み込むともう落ちませんね。
それも味という事でそのまま行きます。
乾いたらいよいよ塗装工程に突入。まずは下塗りから。
大同塗料のユカクリート水系クリヤーという商品をチョイス。
ガレージ床用ではないので、耐摩耗性や耐油性に関してはボチボチでしょう。
ガレージで重整備するわけじゃないし、それほど頻繁に車を出し入れするわけじゃないし、
防塵目的ならこれで十分と考えました。良い子は真似しないでね。
まずは下塗り。
二液型なので硬化剤と主剤を混合して使います。牛乳のようなビジュアル。
表面の凹凸にも入るようにたっぷりと塗料を含ませてローラーを転がす。
二人で黙々と塗り進める。
二人で塗ればあっという間。簡単です。誰でも出来ます。
油染みがある部分は塗料の吸い込みが悪いですね。これはどうしようもない。
コンクリートに油をこぼすことの罪深さを知る。
数時間で下塗りが乾きました。
ここに上塗りを二回、塗り重ねていきます。
上塗りも2液型です。硬化剤を混ぜたら速やかに施工しましょう。
上塗り(一回目)を塗って、数時間おいて、上塗り(二回目)を塗る。
凹があるからどうしても液溜まりが出来てしまう・・・
乾いたら透明になるのでしょうか・・・心配です・・・
数時間後・・・はい!完成!
懸案の白い液溜まりもしっかり透明になり、ツヤツヤな土間コンクリートとなりました。
下の写真だと艶感がわかりませんね。
こちらの写真ならばこのツヤテカ感が伝わるでしょうか。
表面の凹凸にクリア塗料が入る事で、
ヤスリ状だった古い土間コンクリートの表面がビニール床のような質感になりました。
うん、なんとも言えない満足感。
これならモノを置いてもキズが付きにくいし、埃っぽさも抑えられる。清掃性も良い。
もともとのヒビやシミも馴染んでいて、悪くない。いや、むしろ良い。
古いコンクリートのテクスチャーを活かした防塵塗装の事例でした。
ガレージだけじゃなくて、
土間床がある家のリノベーションに使ってもおもしろいかも知れません。