大恭建興

現場の様子(森のエスネル) その三

2024.12.03 / 家づくり

“森のエスネル”

上棟後、折田棟梁が見慣れぬ両面テープを柱や梁に張っております。

高気密住宅において、

耐力面材を気密層とするために気密補強として両面テープ(パッキン)を挟み込むことはありますが、

そういう目的の品ではありません。。。

では何か?

そう、地震の揺れを抑えるためのテープ “制振テープ” であります。

木造在来工法の住宅で “制振” と言うと、機械ダンパーを設ける手法が一般的かと思います。

ダイキョーでも過去にそういう家を造ったことがありました。

制震ダンパーを装備した|ブログ|新潟県長岡市の注文住宅・新築・リフォーム・リノベーション 有限会社大恭建興

それに対して、これは耐力面材と構造躯体の間にテープを挟み込むという手法。

揺れを抑える ≒ 層間変形を抑える  

ゆえに、繰り返しの地震による耐力面材(釘)の傷みを抑えられると。

テープの場合は制振要素が耐力面材に隣接するから、その効果はきっと大きい。

ウォールスタットによる倒壊シミュレーションを見せて頂きましたが、

やはり制振テープの有無で大きな差がありました。

とは言え、耐震等級3の建物ですから、

制振テープが無くとも一度や二度の大地震では倒壊はしません。

こういう制振商材はその先の安心安全を得られるモノ。

規模や間取りによりますが、

一棟当たり30万円~という費用感です。

興味ある方はぜひ。

制振テープを張ってから、耐力面材(モイスTM)を施工して行きます。

施工完了後、釘の種類、間隔、ヘリあき寸法、めり込み過多、をチェック。

NG箇所はしっかりと是正してから次工程へ。

ちなみに制振テープを張る事で、結果的に耐力面材の継目も気密化されるので、

普段張っている耐力面材外側の気密テープ張は省略。

その後、60mm厚の付加断熱材を張っていきます。

信頼と実績の旭化成のネオマフォーム。

単位厚みあたりの断熱性能は最高水準、経年による性能低下もほとんど無い、

素晴らしい断熱材であります。

サッシ取付 ~ 透湿防水シート施工 ~ 防水テープ処理 ~外壁下地木材施工 ~

外部防水検査をパスしてから、外装材の施工に進みます。

エスネルと言ったらやはり二階リビング。

LDKは勾配天井で縦方向に広々していて気持ちよさそう。

平面的にはコンパクトですけど、ロフトやデイベッドなどの居場所がたくさんある、

小ささを感じさせない設計ですね。

土台や柱、柱や梁、梁と梁、

などのあらゆる構造接合部を金物で緊結していきます。

内部の耐力壁も耐力面材仕様ですから、釘の施工管理は大切です。

工事監理担当の村松さんにしっかり見て頂きましょう。

壁内断熱材充填。HGW16k 105mm厚。

その後、防湿シートを張っていきます。

1階の土台高さと床組高さが違うから、

防湿シートを先張りしたりと、細かい部分に配慮が必要です。

高基礎の床下空間はとっても広い。

基礎の内部の立上りにはネオマフォーム100mm厚を施工。

基礎スラブ上には30mm厚を全面に敷設。

スラブ上の断熱材に人や物が載っても凹まないように、上にシナベニヤを張る。

屋根断熱材はセルローズファイバーを吹き込み。

400mm厚の分厚い断熱層であります。

この上にポリエチレンシートを張れば、気密断熱工事が完了。

 

さて、気密測定の結果はいかに。。。

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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