不動産業界において、木造住宅は築20~30年で資産価値がゼロになると言われているそうです。
実際にはまだまだ使えるのに、価値がゼロになるんです。もったいない話ですね。
そんな少し古い住宅にしっかりと手を入れて、終の棲家とする、
昨今はそんな家づくりを “リノベーション” と呼び、徐々に一般的になってきました。
新築より安く、新築並みの性能を得られるとあらば、注目されるのも当たり前。
今後もそのような事例が増えて行く事でしょう。
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“希望が丘南の家”
戸建住宅のリノベーション案件です。
築25年、木造在来工法、ほぼ総二階建て延床面積30坪、3LDK、etc。
住宅の一次取得者である一般的な核家族にとって、最高に丁度いい諸条件です。
購入しやすい物件価格、オープン工法である木造在来工法、無駄に広くないサイズ感。
リノベーション工事の素体としては好条件と言えるでしょう。
築25年、新築当時は新建材全盛の時代でしょうか。
リノベ前の私の実家もそうでしたが、内装に無垢材なんて全く使われておりません。
木目調のビニルシートを貼った新建材だらけです。これが当時のスタンダード。
これも全部、リノベーションで自然素材の内装へ作りなおします。
リノベーション前の実家の内装にそっくりです。。。
で、先週から解体工事が始まりました。
桝谷大工が解体作業をガンガン進めております。
工事内容はほぼフルコースですが、健全な部位は触らずに費用面への配慮もしてますよ。
天井解体 ~ 壁解体 ~ 壁内断熱材撤去 ~ 窓撤去 ~
構造躯体は大きな腐朽や傾斜もなく、健全な状態。
事前調査をしていてもすべてを把握できるわけじゃないので、
解体してみないとわからない事も多々あります。
あけてビックリなんてことが起こりえるので、みんなドキドキする工程です。
外壁材撤去 ~ 外壁下地撤去 ~ 透湿防水シート撤去 ~
外壁内側の劣化具合は想定よりも穏やかで、透湿防水シートの状態もそこまで悪くない。
まだまだ防水性能を維持している感じです。
一部、雨水が侵入した形跡があったけれど、深刻なモノではなく、
全体としては健全な状態と言えます。
新築当時、
サッシと透湿防水シートの取り合いに防水テープを貼るというルールは無くて、
そんなものは貼られてない。
(今現在は防水テープを貼るのが常識というか、瑕疵保険の必須要件です)
下の写真のシミのようなモノは、
外壁材から侵入した雨水で外壁下地木材が濡れた跡ですね。
いかにも雨漏りしてそうなビジュアルなんですけど、雨漏はしていない。
透湿防水シートがサッシのヒレにラップしているだけで、一定の防水性能があるようです。
防水テープ貼ってないけど・・・意外とこんなもんで大丈夫なんですね・・・
もちろん現行基準ではNGですから、このあたりも全部作り直していきます。
もともとの温熱仕様は下記の通り。
外壁:グラスウール10k 100mm厚
天井:グラスウール10k 100mm厚
床:発泡ボード系断熱材 45mm厚
サッシ:アルミサッシ+複層ガラス
24時間換気:なし
25年前の仕様ですからこんなもんでしょう。
これを下記のような現行水準にアップデートします。
外壁:高性能グラスウール16k 105mm厚 + ネオマフォーム45mm厚
天井:セルローズファイバー 350mm厚
床:現場発泡ウレタン 100mm厚
サッシ:樹脂サッシ+トリプルガラス(YKKAP APW430)
24時間換気:第一種全熱交換型換気(ローヤル SE200RS)
Ua値は0.3を下回り、HEAT20で言うところのG2グレード相当という具合。
このくらいのスペックがあると、経済的な全館冷暖房が可能です。
新耐震基準以降の建物なので、もともと一定の耐震性能はあります。
ゆえに大がかりな耐震改修の必要は無くて、
耐力壁と構造金物の増設をメインに耐震改修を進めて行きます。