大恭建興

リノベ現場の様子(希望が丘南の家) その一

2024.09.14 / 家づくり

不動産業界において、木造住宅は築20~30年で資産価値がゼロになると言われているそうです。

実際にはまだまだ使えるのに、価値がゼロになるんです。もったいない話ですね。

そんな少し古い住宅にしっかりと手を入れて、終の棲家とする、

昨今はそんな家づくりを “リノベーション” と呼び、徐々に一般的になってきました。

新築より安く、新築並みの性能を得られるとあらば、注目されるのも当たり前。

今後もそのような事例が増えて行く事でしょう。

・・・

“希望が丘南の家”

戸建住宅のリノベーション案件です。

築25年、木造在来工法、ほぼ総二階建て延床面積30坪、3LDK、etc。

住宅の一次取得者である一般的な核家族にとって、最高に丁度いい諸条件です。

購入しやすい物件価格、オープン工法である木造在来工法、無駄に広くないサイズ感。

リノベーション工事の素体としては好条件と言えるでしょう。

築25年、新築当時は新建材全盛の時代でしょうか。

リノベ前の私の実家もそうでしたが、内装に無垢材なんて全く使われておりません。

木目調のビニルシートを貼った新建材だらけです。これが当時のスタンダード。

これも全部、リノベーションで自然素材の内装へ作りなおします。

リノベーション前の実家の内装にそっくりです。。。

で、先週から解体工事が始まりました。

桝谷大工が解体作業をガンガン進めております。

工事内容はほぼフルコースですが、健全な部位は触らずに費用面への配慮もしてますよ。

天井解体 ~ 壁解体 ~ 壁内断熱材撤去 ~ 窓撤去 ~

構造躯体は大きな腐朽や傾斜もなく、健全な状態。

事前調査をしていてもすべてを把握できるわけじゃないので、

解体してみないとわからない事も多々あります。

あけてビックリなんてことが起こりえるので、みんなドキドキする工程です。

外壁材撤去 ~ 外壁下地撤去 ~ 透湿防水シート撤去 ~

外壁内側の劣化具合は想定よりも穏やかで、透湿防水シートの状態もそこまで悪くない。

まだまだ防水性能を維持している感じです。

一部、雨水が侵入した形跡があったけれど、深刻なモノではなく、

全体としては健全な状態と言えます。

新築当時、

サッシと透湿防水シートの取り合いに防水テープを貼るというルールは無くて、

そんなものは貼られてない。

(今現在は防水テープを貼るのが常識というか、瑕疵保険の必須要件です)

下の写真のシミのようなモノは、

外壁材から侵入した雨水で外壁下地木材が濡れた跡ですね。

いかにも雨漏りしてそうなビジュアルなんですけど、雨漏はしていない。

透湿防水シートがサッシのヒレにラップしているだけで、一定の防水性能があるようです。

防水テープ貼ってないけど・・・意外とこんなもんで大丈夫なんですね・・・

もちろん現行基準ではNGですから、このあたりも全部作り直していきます。

もともとの温熱仕様は下記の通り。

外壁:グラスウール10k 100mm厚

天井:グラスウール10k 100mm厚

床:発泡ボード系断熱材 45mm厚

サッシ:アルミサッシ+複層ガラス

24時間換気:なし

25年前の仕様ですからこんなもんでしょう。

これを下記のような現行水準にアップデートします。

外壁:高性能グラスウール16k 105mm厚 + ネオマフォーム45mm厚

天井:セルローズファイバー 350mm厚

床:現場発泡ウレタン 100mm厚

サッシ:樹脂サッシ+トリプルガラス(YKKAP APW430)

24時間換気:第一種全熱交換型換気(ローヤル SE200RS)

Ua値は0.3を下回り、HEAT20で言うところのG2グレード相当という具合。

このくらいのスペックがあると、経済的な全館冷暖房が可能です。

 

新耐震基準以降の建物なので、もともと一定の耐震性能はあります。

ゆえに大がかりな耐震改修の必要は無くて、

耐力壁と構造金物の増設をメインに耐震改修を進めて行きます。

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

大恭建興に相談してみませんか?
突然の訪問や無理な営業活動は一切いたしません。
新築、リフォーム、住まいに関する疑問・質問などお気軽にお問い合わせください。
カタログのご請求や見学会の来場予約もお待ちしております。
ページ上部に戻る