スタッフブログ

日々の仕事のこと、現場のこと、そして、ときどき暮らしのこと。
大恭建興のスタッフが、家づくりの現場から感じたことを綴っています。
住まいづくりの裏側や、私たちの仕事への向き合い方も、
少し感じていただけたら嬉しいです。

2024.06.18
スノコ張り外壁~ファサードラタン~

みなさま、スノコ張り外壁というモノを御存じでしょうか。

ファサードラタンと呼ばれたりするその外壁は、常軌を逸した構造になっておりまして、

もはや外壁の意味をなさないというか、私のような凡庸な建築人はビックリしちゃうような、

とても特殊なモノです。

どういう事かと言うと、文字通り外壁がスノコ張りになっておりまして、

板と板の間に隙間が空いているんです。

その隙間から雨も入れば雪も入る、時には虫も入ります・・・!!

正面から見るとこんな感じ↓

もともとヨーロッパのエコハウスで多用されている工法でして、

最近は日本でも見かける機会が増えてきました。西方先生の自邸が有名ですね。

隙間だらけの外壁ゆえに、通気層の通気量が増加、夏場の冷房負荷軽減に効果を発揮するとか。

そんな変わった外壁をこの度、“関原南の家” にて採用することになりました。

ごく小面積での採用は過去にありましたが、ここまで大面積は初めてです。

どのような構成になっているのか、工程を解説してみましょう。

外壁付加断熱にネオマフォームを張るところまでは同じ。

通常はこの上に “透湿防水シート” を貼ります。

デュポンであればタイベック、フクビであればエアテックス、他諸々、

どれも紫外線や熱で劣化するから施工後速やかに外壁を張る必要があります。

ごく普通の “透湿防水シート” ですから当たり前の話ですね。

で、スノコ張り外壁の場合は、外壁を張っても隙間から直射日光が入り、シートの劣化が進みます。

風雨が直撃するのもメーカーは想定してないだろうから、寿命が短くなるのは容易に想像がつく・・・

普通の透湿防水シートでスノコ張りなんてのはNGです。

そこで、耐候性のある欧州製のスペシャルな透湿防水シートの出番。

こういうヤツ↓

スノコ外壁用の超高耐久な透湿防水シートでして、

ウルトやソリテックスが日本でも入手しやすい商品。

今回はウルトのサーモファサードをチョイスしました。

通常の透湿防水シートよりも分厚く丈夫な印象で、ロール1本が重たい。

ちなみに材料価格は通常の透湿防水シートの約8倍・・・!!

赤い彗星でも3倍だというのに、なかなかいいお値段です。

張ってみるとこんな感じ。

黒くて分厚いスポンジシートのような質感。

確かに長持ちしそうな雰囲気です。

中村棟梁によると「ペタペタして張りにくい」とのこと。

粘着テープがついているから普通の透湿防水シートよりは扱いにくい模様。

窓まわりはユラソールマックスなる専用の防水テープで納める。

サーモファサード同様に耐久性が高い、高級防水テープであります。

インセットされた佐藤の窓にしっかりとテープを貼り込み、

防水層を連続させる。

外壁材は耐久性の高い杉赤身材をウッドロングエコに漬けたモノ。

スノコ外壁の場合は下地材も直射日光を受け風雨にさらされるため、

下地材にも外壁と同等の耐久性が求められます。

外壁と同じく杉赤身材を下地に使用しております。

ウッドロングエコ漬けの杉赤身材を真鍮釘で留めていく。

板と板の間は12mm程、

板幅は120mmとし、無理なく赤身で揃えられるように配慮しております。

隙間から透湿防水シート(サーモファサード)が見えるわけですが、黒いから目立たない。

性能云々も大切ですが、とにかくこれはカッコイイ。

メリットを整理すると・・・

➀見た目がカッコイイ

➁将来的な部分張り替えが簡単

➂通気量UPにより夏の冷房負荷軽減につながる

といったところでしょうか。

専用の透湿防水シートの価格が少し高いくらいで、他は普通の木製外壁と変わらない費用感。

それでいてこのデザイン。アリだと思います。

隙間からジャンジャン雨水が入るので、中長期的に考えると雨漏りが少し心配・・・

大丈夫だと言われても初めてなので慎重になってしまいます。

なので今回は軒が深い部分(雨があたりにくい部分)のみをスノコ外壁とました。

ファサード側だけとか、エントランスだけとか、ポイント使いもおススメです。

木製外壁が好みの方々、ぜひ。

小幡 大樹
小幡 大樹
代表取締役社長・一級建築士

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