今月は完成見学会ラッシュ。
昨日一昨日は“南町の家”、
今週末も “上除の家” で住んでる家の見学会を予定しております。
たくさんの方々に御来場頂き、家づくりについての御相談を頂いているなかで、
ちょっと気が付いた事があるので、ブログに書いてみます。
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昨今、住宅の高断熱化が加速度的に進んできているのは、
一般の方々も何となくご存知かと思います。
国の方でも省エネ基準に断熱等級6~7が設定され、
HEAT20 G2~G3クラスの高断熱仕様が業界内外問わず、広く認知されてきました。
また、SNSや建築系ユーチューバーによる情報発信は強力なモノがあり、
見学会に御来場頂く方々からも
「断熱はG2(G3)グレードを希望します!」
というような御要望を頂く事が増えてきました。
これは喜ばしい事ですね。日本の住宅性能の底上げがなされいてる感じがします。
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で、本質的に大切なのはそこから先で、
断熱グレードを高くすると、どういうメリットがあるのかという話。
高断熱住宅に期待される事と言えば、、、
・屋内の温度差が無くなり、家中が冬暖かく夏涼しくなる
・暖冷房費用(エネルギー)が抑えられる
と言ったところでしょう。
特に後者に関して、エネルギー高騰の時代ですから皆さん関心があるところと思いますが、
これについては断熱性能だけじゃない大切な要素がありまして、
それは “日射取得” と呼ばれるモノであります。
真冬に窓から入る日射熱で屋内が暖かくなり、
暖房器具の負担が減り、
経済的に暖房が出来る、と。
そう、パッシブデザインですね。
モデルプランで暖冷房費用をシミュレーションしてみたいと思います。
立地は長岡市(5地域)、
ワンフロアの床面積が15坪、1F2F併せて30坪の核家族向けのよくあるボリュームの家を想定、
片方は南側に大窓を並べ、もう片方は北型に大窓を並べたプラン。
断熱はほぼダイキョー標準仕様で、窓はAPW430。
一応、夏季の日射遮蔽のために大窓に庇を付けておきましょう。
南向きプランはたっぷりと冬季日射が得られるのに対して、
北向きプランはほとんど冬季日射が得られない。
断熱性能は全く同じで、窓が北か南かの違いだけ。
Q-pexで暖房費用を計算してみると、、、
南向きプランの暖房費用は1.93万円。エアコン暖房(COP3.0)想定です。
北向きプランの暖房費用は2.8万円。その差0.87万円。
北向きプランは南向きプランの1.45倍の暖房費用がかかっているという事なります。
どちらも同じG3グレード(Ua=0.23W/㎡・k)ですが、
窓の配置でこれだけ暖房費用に差が出てくるんですね。
つまり、断熱性能だけじゃなくて、窓の設計ってとても大切という話。
新潟は冬の晴れ間が少ないので、太平洋側と比べると冬季日射取得は不利なんですが、
それでもこのくらいの差が出ると。
皆様には、ぜひこれを知っておいて頂きたい。
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蛇足ですが、参考までに。
同じ建物を福島へ持っていくと、どのような数値になるか?
長岡市と同程度の寒さだけど、冬季日射量が多い、小名浜を想定してシミュレーションしてみます。
すると、、、
南向きプランの外皮性能をUa値0.34(G2グレード)まで落としても、
北向きプランのUa値0.23(G3グレード)よりも暖房費用がかからないという結果に。
G2がG3に勝利してしまいました。
南向きプラン + G2グレード の暖房費用が1.36万円に対して、
北向きプラン + G3グレード の暖房費用が1.68万円となる。
全窓が北or南という極端な比較ですが、窓設計の重要性がよく分かるかと思います。
最終的に何が言いたいのかと言うと・・・
“断熱性能” というのは暖冷房費用を抑えるための手段の一つでしかなく、
日射取得等、他にも大切な要素が色々とあるよ!
という事。言いたいことは以上です。