結婚式を終えてすぐ、住まいづくりを始めたA夫妻。求めていたのは性能とデザインの両立だった。
出された答えは、平屋のようなモダンな佇まいとスキップフロアの間取り。
高性能をベースにした住まいは、大きなひとつながりの中、どこにいても快適さに包まれる。
二人が描いていたのは、室内は木を使いながらスタイリッシュに、間取りはガレージとパントリーをコンパクトにつなげたうえで回遊できる動線だった。最終的にビルダーを選んだポイントは「意外性」だったという。バイクを置くスペースとガレージの一体感、土間と仕切りなくつながるリビング、空を取り込みつつ外からの目線をカットする開口。「どれも驚きの提案でした」。動線については、望んでいた回遊式ではなかったにも関わらず、だ。「十分、動きやすそうでしたし、何より『こんな家が実現するんだ』とすごくワクワクしたんです」。
平屋のような贅のある佇まい。玄関を入ると、土間とLDKが大きくひとつながりになっている。開放感に包まれる一方、奥へ進むと、スキップフロアの壁やレベルによってほどよく仕切られている。「どこにいても、不思議と落ち着けるんです」。それは、効果的な開口で光を取り込みながら、綿密に死角が計算された結果だろう。さらに二人が求めた高性能に対しては、標準仕様である床下エアコンとG2グレードの断熱性能を確保。性能をベースにすることで、半ソト空間である玄関土間も一年中、部屋と同じ温度、同質の快適さに満たされている。
結婚式の思い出の品、好きで集めた雑貨やオブジェ。「飾っておきたい」という話を聞いて、随所に品々の「舞台」が整えられた。まず玄関を入った土間の壁、中2階の書斎スペースに本棚、階段脇にも棚。土間の壁はパンチングボードを採用し、自由に掛けたり移動したりができる。「眺めるのも楽しいし、新しく買ったら模様替えを考えるのも楽しい」。楽しみの余力はまだまだ十分にある。
キッチンと造作の洗面台には「以前から気になっていた」という名古屋モザイクのタイル。土間、リビング、ダイニング、キッチンには、異なるペンダント照明。二人が厳選したディテールは、格子天井や床に採用した幅20cmのオーク、パンチングボードや合板といったシンプルな背景の中、効果的なアクセントとなっている。奥さまが特に好きなのは、玄関を開けた瞬間の景色。「土間の先に、洗面台のタイルまで見えるのがいい」。奥行きの中に重なり合う色と素材は、帰宅の楽しみもくれた。
リビングにいれば、ガラス越しにガレージも眺められる。二人それぞれのバイク。高窓を見上げれば、青空。「毎日、飽きないだけじゃない。毎日、感動がある」と奥さまが言えば「好きなものに囲まれて暮らすのが楽しくて。『いい家だよね』とよく言っています」とご主人。もうすぐ三人家族になるA家。スキップフロアの一角にあるヌックは、いい遊び場になることだろう。
改めて外に出て振り返ると、「スタイリッシュにカッコよく」と望んだ外観が、そして屋根が、空をキリリと切り取り、同時に天井や壁のサーモポプラが、室内の温かさを伝える。「ギャップ」もまた、二人が当初からイメージしたキーワードだった。
