大恭建興

現場の様子(天下島の家) その三

2020.03.03 / 家づくり

“天下島の家”

C値 = 0.1 cm2/㎡ を目指して普段ではやらないような気密処理を徹底しております。

土台や梁の継手やアンカーボルト部を全て気密テープ張。

 

今回は床断熱工法なので、床の直下に繊維系断熱材を充填します。

一般的には大引間に断熱材を入れる事が多く、

その場合、大引きのサイズ以上の断熱材は入れらません。

大引きのサイズは105mm角だとすると、105mm厚が上限という事になる。

そこで、大引きの下にももう一層断熱材を付加する事により、

更なる高断熱化を図ります。

ダイキョーでは外壁の付加断熱は標準的に行っていますが、

床の付加断熱は初採用。

HGW16k 105mm + HGW32k  50mm厚 と分厚い床断熱層です。

 

大引きの下にも断熱材が入る事により熱損失が大きく減り、

冬場の床表面温度がUPします。床面の温度差 “1℃” は大きい。

床下エアコン暖房と組み合わせて行う基礎断熱工法の場合は、

床面温度が相応に高くなるので、足元がポカポカで快適なのがウリ。

床下空間は屋内扱いなので、床面表面の温度を高くキープできる。

↓基礎断熱工法の断面。水色が断熱材。

デメリットは基礎コンクリートからの熱損失が大きい事。

さらに床下空間分の気積(空気のボリューム)が増えるので、

床断熱工法と比べると暖房費用がかさむ傾向にあります。

(基礎外断熱も併用して基礎断熱性能を更にUPすれば別ですが)

↓それに対して床断熱工法の断面。

床からダイレクトに熱が逃げていくため、どうしても床表面温度が下がる。

しかし、気積は少なくて済み、床方向への熱損失は少ない。

故に暖房費用が少なくて済む。

要するに

「基礎断熱は床断熱よりも暖房費用がかかるが、

 床面の表面温度が低くなりにくいので快適性が高い」

という事。快適性と暖房費用のトレードオフですね。

“天下島の家” の施主様はそのあたりを深く理解しての床断熱を選定、

さらに弱点補強の為に床の付加断熱も行っているという事です。

床下地合板と柱の取り合いの隙間はブチルコーキングと気密テープで処理。

ホールダウン金物の貫通部などもブチルコーキングで埋めます。

耐力面材(モイスTM)と構造体の間に気密パッキンを挟み込んでしっかり気密化。

横架材の継ぎ目もテープ処理。

出来る限りの気密化工事をしてから、耐力面材を張っていきます。

釘の種類やピッチを間違えないように。

頑張れ折田棟梁!!

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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