大恭建興

スーパースペーシア

2018.08.02 / 家づくり

窓のガラスにも様々な種類があります。
大別すると、
「単板ガラス」
「ペアガラス」
「トリプルガラス」
という順番に断熱性能(保温性能)があがっていく。
ガラスが1~3枚、という話わかりやすいですね。

それとは別に“日射熱の通りやすさ”
という重要な要素があり、
日射熱を通しやすいガラスを「日射取得型ガラス」
日射熱を通しにくいガラスを「日射遮蔽型ガラス」
と呼ぶ。

この“断熱性(保温性)”と“日射熱の通りやすさ”
が窓ガラス性能の相反する二大要素という事になるわけです。
パッシブ設計の世界では、
“断熱性能が高くて日射熱を通しやすい”
そういうガラスが偉いということ。


こういった南面大開口↓
トリプルガラスよりも保温性能で劣るペアガラスを使ったほうが、
冬の熱収支(暖房費用)としては有利だったりする↓
逃げる熱も大きいが入ってくる熱も多いから。
諸説ありますが、新住協的には南面はトリプルではなく断固ペアガラス。


でブログタイトルの件。
昨日業者さんから教えてもらった新しいガラス商材。
日本板硝子の“スーパースペーシア”
車の名前みたいですがガラスの名前です。
ペアガラスだけどトリプルガラス並みの断熱性があるとのこと。

最近よく使うYKKAPのAPW430。
これに入っているトリプルガラスの性能は・・・

U値=0.65W/㎡・k  日射取得率=0.46 (遮蔽型ニュートラル)

でスーパースペーシアは・・・

U値=0.65W/㎡・k  日射取得率=0.49 

確かにトリプルガラス同等の性能がある。
ペアガラスなのにこれはすごい。
欲を言えばもっと日射取得率が大きいものが欲しい。
そうすれば南面大開口にベストマッチですが・・・
日射取得型なるものは存在しないようです。
西方先生等々が使われている海外製のスペシャルなペアガラスは

U値=1.0W/㎡・k  日射取得率=0.7

というすごぶる高性能なもの。
相反する断熱性能と日射取得率を高レベルに両立している。
国内メーカーがこういうガラスを出してくれると良いんですけどね。
日射取得型のスーパースペーシアは出来ないんでしょうか・・・

小幡 大樹

小幡 大樹

専務取締役・一級建築士

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